私たちのうすき時間

第10回 地域おこし協力隊 一般隊員(田中・増本)Vol.4

●地域担当:田中●

 こんにちは! 地域担当の田中です(*’▽’)
長引く暑さも落ち着いて、「お鍋が食べたいな~」と思う今日この頃です。
今回は、お鍋にもぴったりという調味料「柚子胡椒」について書いてみたいと思います。

ブログをお読みの方は「柚子胡椒」……ってご存知でしょうか?
粗く刻んだ柚子の皮と青唐辛子、塩を混ぜ合わせ熟成させたもので、爽やかな風味の中に少しピリッと、パンチの効いた調味料。
ちなみに「胡椒」というのは、九州の一部の地方では古くから唐辛子のことを「こしょう」と呼んだため、この呼び名が一般的になったそう。

私は兵庫県出身で、大学で初めて九州(大分)に訪れるまでは、「柚子胡椒」を知りませんでした。
全国のスーパーでもチューブタイプのものは販売されているはずですが、大学を卒業し、関西に帰っていた10年弱の期間も、パタリと食べなくなっていた様な……(..)
でも、地鶏の炭火焼や、天ぷら、お鍋、みそ汁、餃子などにつけたりすると美味しくて、まさに出会えて良かった調味料です(笑)
レシピサイトでも柚子胡椒を使ったレシピはたくさん出てきますよね。

そしてこの秋、私は「柚子胡椒づくり」にチャレンジしました!
……と言っても、なかなか1人では難しいので、南野津公民館で開催されている「手作り名人」という教室へ参加して教えて頂きました。
一般的に見られる「柚子胡椒」は緑色。これは青唐辛子と青柚子で作っており、2つの旬が重なる8~9月あたりが柚子胡椒づくりの季節です。
私もちょうど9月頃、臼杵の野津で柚子畑を発見しました!
カボスだと思い込んでいたので、知ったときはビックリ!!
しかも柚子の木の枝には、鋭いトゲがあるんです(; ・`д・´)

では、いよいよ柚子胡椒作りへ♪
まず、柚子班と、唐辛子班に分かれて、粗く刻んでいきます!柚子の皮だけを剥いで使うんですよね。
そして私が担当したのは、「青唐辛子を刻む!」これが、やっているうちにだんだん手袋をしていても辛さが痛く……
染みてきました。恐るべし、カプサイシン!
その手では絶対目をこすっちゃダメですよ。

このように「緑色」の柚子胡椒の特徴はピリッとした辛味があること。
黄柚子と赤唐辛子で作る「朱色」のものは、香りが強く、味わいも違うと言われています。

手で粗く刻んだ柚子と、唐辛子を再度フードプロセッサーで細かくし、分量通りの塩と共に混ぜ合わせて完成です!
他にも柚子胡椒の炊き込みご飯や、おかずなど、先生が準備してくださり、お弁当が完成。
この炊き込みご飯は、私は家でも作りました。柚子胡椒の香りがたまらなく良いんです(*´▽`*)
手作りの「柚子胡椒」は、フレッシュさと、無添加の安心感、程良い辛さがたまりませんでした。本当に何にでも合います!

そして、公民館やコミュニティセンターの教室も、地域の人と触れ合い、さらに地域を知るきっかけになりますね。
今回も素敵な出会いに恵まれ、後日、お宅(お店)へとお邪魔させて頂いた方も。
地域のお教室を探して参加することも、移住後はおすすめですよ♪

 


 

●移住定住担当:増本●

こんにちは! 移住定住担当の増本です。

臼杵の代表行事のひとつ「うすき竹宵」。
11月の第1土曜日と日曜日の2日間、竹灯篭が城下町をほのかに照らします。
昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止のために中止となりましたが、今年は規模を縮小して開催となったので、今回は9月~10月にかけて町なかでみかけた準備風景と当日の風景の一コマをお届けしたいと思います。

・竹の準備
臼杵市役所の近くに「竹宵倉庫」があり、9月になるとその倉庫の外に切り出された竹が並び、しばらくすると倉庫の中からウィーンウィーンと竹を切る音がきこえ始めます。
仕事が終わったあとの時間に、ボランティアの方々が竹を切っていました。

 

・お堀の掃除
稲葉家下屋敷(※1)の前には堀があり、鯉が泳いでいます。
その鯉を追い込んで掬っている人たちがいたので何をしているのか聞いてみると、竹宵に合わせて堀の掃除をするために鯉を移動させているとのこと。

鯉は、泳いでいるときはゆっくりしてますが、追い込まれて掬われると当然抵抗してビチビチ勢いよく動いていました。
運んでいる人の様子から重さも感じとれ、生き物を傷つけずに移動するのって大変だな……と思う場面でした。

生け簀に入れられた鯉は数日その中で過ごして体の消毒を行うそうで、お堀の掃除と鯉のメンテナンスを同時にするようです。

こういう細やかな”お掃除”という準備もあるのだな、と思った出来事でした。

ご紹介したのは一部ですが、様々な準備を経て迎えた当日。
前述したように縮小しての開催なので、八坂神社(※2)周辺だけで竹あかりが見られ、感染予防対策もありますのでいつもの賑やかさに比べると「静かな竹宵」ではありましたが、訪れる人を見ていると、その静かさの中に、竹宵を待っていた人たちがこんなにいたんだな~と、地域が大事にしている行事なんだな、とじんわりと感じる雰囲気がありました。

八坂神社の境内で目を引いたのは、臼杵ミワリークラブ(※3)の”疫病退散”をテーマにしたオブジェ。

1日目と2日目でレイアウトを変えて、集まった疫病が浄化されるようなストーリー仕立てにしたそうです。
2日目の終わり頃の時間に見ていたら撤収が始まり、ミワリークラブの方に「好きなの持って行っていいよ」と言われたので、竹灯篭を数本持って帰ることにしました。
竹は水分を含んでいる青竹で乾燥していないから、持ち上げてみると結構重い!
青竹を切り出して運んで細工をして、会場に運んで時間になったら蝋燭の火を灯して、消えている火がないかチェックして、
終わったらまたこの重い竹を運んで……と時間や労力を想像すると、準備、た、大変……と思わずにはおられず、
仕事や日々の生活の合間の時間を使って準備をしているボランティアの方々のおかげで見ることができている景色なんだな、と思い、来年はボランティアに参加してみようという気持ちになった今年の竹宵でした。

 

<おまけ>
持ち帰った竹灯籠を早速飾ってみたので写真を撮ったのですが、疫病の顔がちゃんと顔認識されました(笑)

 

※1…稲葉家下屋敷:廃藩置県に伴って東京へ移住した旧藩主・稲葉家の臼杵滞在所として建築された屋敷。
※2…八坂神社:臼杵市祇園南にある神社。毎年7月に大分の三大祇園祭のひとつである「臼杵祇園まつり」が行われる。
※3…臼杵ミワリークラブ(臼杵妖怪共存地区管理委員会):大分県臼杵に伝わる妖怪、物の怪、守護神などを発掘し、後世へ伝えるとともに、妖怪出現地の保護と妖怪話の市内外への宣伝を行い、妖怪による町作り、観光、活性化を目的とする1998年に発足したグループ。

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